eVscopeとオリガミ望遠鏡による超新星観測(HIDA)

こんにちは!

ようやく8月が終わりました・・・
関西天文サークル星宿のHIDAです^^

コラム第28回目になります。

 

最新望遠鏡「eVscope eQuinox」の成果報告

 

今回の余談は私たち星宿で所有している最新望遠鏡「eVscope eQuinox」ちゃんの成果報告です。

 

 

星宿主の日記にも上がっていますが、先月の公式活動が久しぶりに晴天に恵まれまして、eVscopeで沢山の天体マラソンをすることができました。

その日はペルセウス流星群前日だったのですが、ハイ、私はなんとしてもeVscopeちゃんの実績を積み上げていきたく、皆が流れ星を観測している中、黙々とeVscopeを操作していました。

 

そもそも少し焦ってもいたのです・・・・・

 

冒頭でも書きましたが8月が終わったのです・・・そうです夏が終わりかけているのです。
と、いうことは夕暮れ~21時とかですかね~当然ながら春の星座は早い時間帯で姿を消してしまうのです。

 

そして今年の星宿は7月まで晴天に恵まれず、春の星座が持つ銀河や星雲、星団をeVscopeでとらえることができていなかったのです( ;∀;)

これはまずい!と、せめてこの8月に消えゆく春の天体を捉えなければ!
と、意気込んでいましたが時すでに遅し・・・

 

春の星座は夕暮れとともに地平線に沈んでいきました・・・・

 

 

それでも見える星座もありましたが、ここは気持ちを切り替えて、何としてでも夏、秋の星座が持つ銀河や星雲、星団をeVscopeで観測することにしました。

 

 

ペルセウス流星群?
そんなもん小さい頃から田舎でいくらでも見とるわい!!(`ω´)ドヤッ

田舎っ子なめんな(`ω´)ドヤッ

 

 

と、自身を奮い立たせ最新機器を触るお上りさん奮闘記になります。・・・・・

 

eVscopeの唯一の弱点は倍率や画角をいじれないことでしょうか?
沢山の銀河、星雲、星団を一瞬で導入してくれるのは素晴らしいのですが小さくて見えなかったり、はたまた大きすぎて画角に収まっていなかったりなどがあります。

その為、今回は事前にeVscopeの性能からある程度見やすいだろう夏の天体をいくつかリストアップし、それらを巡る観測をしました。

メシエマラソンならぬ、ヒダマラソンです。

 

ヒダマラソン

実際に私がまとめ&リストアップしている資料をアップします。

 

eVscopeも全ての天体を網羅しているわけでは無いようですが、検索できるものとしてはなかなか良い線をついたリストになっているのではないでしょうか?(`ω´)ドヤッ

 

 

その中でも今回埋めたのは下記星座に属する星雲、星団、銀河になります。

 

(夏)いて座、さそり座、はくちょう座、子ぎつね座、へび座、へびつかい座
(秋)アンドロメダ座

 

やってみると結構面白くてですね、メシエマラソンとなるとやはり高価な機材であったり使いこなす技術であったりと投資や準備に体力を使います。

ですがeVscope eQuinoxで、ある程度ハードルを落とした独自のリストをマラソンすることでモチベも維持されるのと、ジワジワと浮かび上がるその天体の姿を見るのは楽しかったりします。

 

ある程度データを取り切った私は、イベントに参加したみんなに混じって一緒にペルセウス流星群を楽しみました!

 

 

ペルセウス流星群?
小さい頃から見ててもみたくなるわい!!(#゚Д゚)

田舎っ子なめんな(#゚Д゚)

 

 

とはいえ次回に向けての反省点もチラホラ。

前回は成功していたeVscopeの映像シェアが今回は失敗しまして、メイン操作権をみんなのスマホで取り合う始末・・・

くぅ~このeVscope eQuinoxの同時シェア機能は非常に優秀と感じていますので次回までに対策等を勉強しておきます( ;∀;)

 

みなさんにも地球から宇宙を覗く感動を味わってほしいのです( ;∀;)
引き続きデータ集め頑張りま~す

 

 

╰( ^o^)╮-=ニ=一=三 【閑話休題】 三=一=ヽ(・ω・ヽ*) キャッチ!!

 

 

オリガミ望遠鏡による超新星観測

 

さて今回はジェイムズ・ウェッブサイト側からの記事紹介になります。

・・・・私はオリガミ望遠鏡という呼び方の方が気に入っていますのでこの記事ではオリガミ望遠鏡と書きますね^p^
オリガミ望遠鏡の名前の由来は過去記事を見てもらえると(/・ω・)/

 

タイトルは
「Webb Reveals New Structures Within Iconic Supernova」
=「ウェッブが象徴的な超新星爆発内の新たな構造を明らかに」
(August 31, 2023)

 

超新星爆発という言葉は天文好きな人だと聞いたことがあるかもしれません。

そうでない人は超新星爆発を英語表記にしたSuper nova(スーバーノヴァ)という言葉の方が聞き馴染みがあるかもしれませんね。

私はBUMP OF CHICKENさんの楽曲を思い出しますし、中には映画のタイトルをイメージされる方も?

 

今回の記事はとある有名な超新星爆発(Super nova)をオリガミ望遠鏡で観測したところ、従来の宇宙望遠鏡では観測できなかった実態を解明できた、というもになります。

 

超新星爆発を簡単に説明しよう

 

まずは超新星爆発を簡単に説明しましょう。

 

-------------【超新星爆発(Super nova)】\_(・ω・`)ココ重要!-------------

 

コトバンクでは下記のように説明されています。

それまで非常に暗かった恒星が突如として大爆発をおこし、数日間に約15等級(100万倍)も明るさを増す現象。

 

恒星とは太陽のように自らエネルギーを生成し光輝く天体を指し、私たちが地球から見る星のいくつかも、この恒星と呼ばれているものになります。

コトバンクの説明を流用するのであれば、太陽が大爆発を起こし遠方から見てもその輝きの増大が分かる現象のようです。

 

もちろんこの超新星爆発、何の気配もなしに突如起こるようなものではありません。
この現象はいわば星の生涯最後の姿なのです。

 

星の一生に関しては下記サイトで分かりやすく説明されています。
https://www.study-style.com/seiza/knowledge/07-1-1/

 

太陽は同じ恒星でも超新星爆発はしないと言われていますが、最近ではオリオン座のベテルギウスが寿命で超新星爆発の前兆では?などと話題になっていましたね。
(実際はもっと先となるようですが・・・・)

 

ではここまでの予備知識を踏まえたうえで今回の記事を読み解いていきましょうGO!!GO!!ヾ(>∇<*)o

 

大マゼラン雲にある超新星爆発【SN 1987A】

 

今回オリガミ望遠鏡が観測したのは最も有名な超新星爆発の1つである【SN 1987A】になります。

SN 1987Aは16.8万光年離れた大マゼラン雲に位置しています。

世界的には1987年2月に発見されて以来およそ40年、様々な宇宙線の観測対象となっており、超新星爆発が時間経過とともにどのように発達してその残骸を形成するかを理解するための重要な手掛かりを提供されてきました。

まずは宇宙望遠鏡の先輩であるハッブル宇宙望遠鏡がとらえていたSN 1987Aの姿をご覧ください。

 

 

このデータからも沢山の情報が得られたようですが、さすが遥か彼方の存在、ハッブル宇宙望遠鏡の実力を持ってもなかなかに小さくしかとらえられていませんね・・・・

では宇宙望遠鏡期待の新エースであるオリガミ望遠鏡が捉えたSN 1987Aの姿を見てみましょう!

 

 

拡大された姿が捉えられています!

・・・・ですが拡大したらしたで、なかなか奇妙な姿ですね(;^_^A

まるで宇宙に浮かぶ瞳に見つめられているような、もしくは奇妙な生き物が口を開いたような印象をうけました。

まぁ私のような凡人の感想はともかく、研究者達にとっては非常に重要な姿だったようです。
記事には以下のように分かりやすく解説されています。

 

 

この画像では、鍵穴のような中心構造(inner ejecta / keyhole)が明らかになります。

この中心には、超新星爆発によって放出された塊状のガスと塵が詰まっています。
塵は非常に高密度であるため、オリガミ望遠鏡が検出できる近赤外線でさえも塵を透過できず、鍵穴に暗い「穴」が形成されています。

明るい赤道リング(equatorial ring)が内側の鍵穴を囲み、砂時計の形をした外側の2つのリング(outer ring)を結ぶ帯を腰の周りに形成します。

 

赤道リング(equatorial ring)は、超新星爆発の数万年前に放出された物質から形成されており、超新星爆発の衝撃波がリングに衝突したときに現れた明るいホットスポットが含まれています。

現在、リングの外側でもスポットが見つかり、リングを囲む拡散放射が見られます。
これらは、より多くの外装材に衝突する超新星衝撃の場所であることを表しています。

 

これらの構造、実はNASA のハッブル宇宙望遠鏡、スピッツァー宇宙望遠鏡、チャンドラ X 線天文台らによっていろいろと観察されてきましたが、今回のオリガミ望遠鏡の比類をみない「感度」と「空間分解能」により、この超新星残骸の新しい特徴、「小さな三日月のような構造(crescent)」が明らかになりました。

 

この三日月構造は、「超新星爆発で噴出したガスの外層の一部」であると考えられており、中に実際よりも多くの物質があるように見えるそうです。

オリガミ望遠鏡以前は、引退したスピッツァー望遠鏡がこの超新星をその生涯を通じて赤外線で観測し、その放出が時間の経過とともにどのように進化したかに関する重要なデータをもたらしていました。

しかし、これほど鮮明かつ詳細に超新星を観測することはできませんでした。

超新星が最初に発見されてから数十年にわたる研究が続けられてきたもかかわらず、超新星爆発の余波で形成されるはずの中性子星に関しては、いくつかの謎が残されています。

スピッツァー望遠鏡と同様に、オリガミ望遠鏡も今後も超新星を長期にわたって観測し続けるだろうと言われています。

 

オリガミ望遠鏡に装備されたNIRSpec (近赤外分光計) および MIRI (中赤外計器) 機器は、天文学者に新しい高度の赤外データを長期間にわたって捕捉し、新たに特定された三日月構造について新たな洞察を得る能力を提供されることが期待されています。

 

最後に
「オリガミ望遠鏡は今後もハッブル宇宙望遠鏡、チャンドラX 線天文台、その他の天文台と協力してこの伝説的な超新星の過去と未来について新たな洞察を提供していく予定です。」
と書かれていました。

 

今回の記事は以上です。

 

この記事はいわば速報版のようですね・c・
「今まで見えていなかったものがオリガミ望遠鏡のおかげで見え始めた、そして今後の調査で更なる成果が得られそうだ」ということを伝えたいようです。

もともとハッブル宇宙望遠鏡でも挙げてきたその成果は素晴らしいものばかりです。

 

遥か彼方の世界を魅せてくれた先輩望遠鏡ですら届かなかった世界を、オリガミ望遠鏡が魅せてくれようとしているのですから期待しないはずがないですね((*p'∀'q))ワクワク♬

 

引き続き、私はオリガミ望遠鏡の成果を追っていきたいと思います^^

さて今回は「超新星爆発」をテーマとした記事を紹介しました。

そこで現在解明されている太陽の一生というものも知ってもらえたらと思い、恒例バイエンスチャンネルの下記動画を選定しました!

 

タイトルは「【寿命】1垓年後の太陽に待っている悲惨な最期…

 

 

科学的な話が少し難しいですがなんとなくイメージできれば面白い内容です。

ではまた次回

( ´Д`)ノ~バイバイ

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